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4K8K放送とは?魅力や特徴・設置方法を詳しく解説します

4K8K放送とは?魅力や特徴・設置方法を詳しく解説します

ここ数年で一気に耳にする機会が増えた「4K」や「8K」の言葉。テレビをキレイな画質で見れることはなんとなくわかりますが、今までの放送とどのように違うのかをきちんと理解している人は少ないのではないでしょうか。

今回は、4K8K放送の特徴から、実際に4K8K放送を視聴するために必要な設備まで詳しく解説していきます。「4K8K放送ってなに?」という方や、4K8K放送を自宅で視聴したい方はぜひご一読ください。

そもそも4K8K放送って何?

4K8K放送の正式名称は、「新4K8K衛星放送」です。

2018年12月からスタートした新しい放送方法のことで、アナログ放送や地上デジタル放送とは異なる種類の放送方法であると言えます。

従来とは異なる新しい放送方法なので、2011年7月のアナログ放送から地上デジタル放送への完全移行のように、今まで使っていたテレビが急に映らなくなることはありません。

また、実用放送が開始されたばかりなので、4K8K放送に対応しているチャンネルはBS放送と110度CS放送のみです。「4K8K放送」という言葉は、主にこれらのチャンネルを指します。

単純に「4K」や「8K」といった言葉だけで使うと、高精細度の映像規格のことを指します。

高画質な4Kの映像は4K8K放送でしか見れないものではなく、同等程度の画質の映像を、通常のデジタル放送でも視聴可能です。そのためには、4K対応テレビなどの周辺機器を揃える必要があります。

ちなみに、4K8Kの「K」とは、テレビ画面に映像を表示するための解像度を1000単位で表す記号のことです。

1000を1キロ(K)と数え、横方向の解像度が約4000のため4K、約8000は8Kと表します。通常のデジタル放送は2Kなので、4K8K放送では格段に鮮明な映像をテレビで見ることができます。

4K8K放送の特徴

4K8K放送の特徴

4K8K放送の特徴を一言で表すなら、画素数が高くキレイで鮮明な映像が楽しめるということです。

スマートフォンのカメラの品質が向上して鮮明な写真が撮れるようになったのと同じように、テレビの画質も繊細でリアルな映像が見れるように進化してきました。

高解像度である

画面の粗さと細かさを決める解像度について、まずは具体的な数字で紹介していきます。

通常のデジタル放送の映像解像度は1920×1020、4Kでは3840×2160、8Kでは7680×4320となっています。

画素数を計算してみると、通常のデジタル放送が約200万画素であるのに対し、4Kでは約800万画素、8Kでは約3300万画素にもなります。

デジタル放送の200万画素から4Kの800万画素までの4倍という変化は、実は、アナログ放送から地上デジタル放送に切り替わったときの変化と同程度です。

4K映像を未体験の方は、地デジ化のときと同じくらいの衝撃を受けるかもしれません。近づいて見ても画面の粗さがまったく気になりません。

広色域規格(BT.2020)である

4K8K放送では「BT.2020」という新しい広色域規格を採用しています。

感じたことのある方も多いかもしれませんが、実際に目で見たときの色と、テレビのディスプレイを通して見たときの色とでは若干の違いがあります。

BT.2020を採用することで、実際に目で見たときの色に限りなく近い表現が可能になりました。

色の再現力が向上した4K8K放送では特に、森林や海中などの大自然の映像を見ると、違いをはっきりと感じることができます。

高輝度規格(HDR)である

高輝度規格(HDR)である

HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)と呼ばれる高輝度規格も、4K8K放送には取り入れられています。逆光や暗所でもキレイな映像を表現することができる、スマートフォンのカメラにも活用されている技術です。

また、4K8K放送では色の階調や画像の切替速度が大幅に拡大したため、色や明るさの変化が、ぼやけず滑らかなグラデーションで表現されるようになりました。

特に、空のような繊細なグラデーションで成り立つ風景の映像で比べると、違いがわかりやすいです。

HDR信号を受信するためには、「HLG(ハイブリッド・ログ・ガンマ)」と呼ばれる方式に対応したテレビが必要です。旧型の4Kテレビでは対応していない可能性があるので注意してください。

4K放送で見ることができるチャンネル

4K8K放送で見ることができるチャンネルには、右旋円偏波(右旋)と左旋円偏波(左旋)の2種類があります。

従来の4K対応でないBS放送を含むいくつかのチャンネルは右旋で、新たに開発された左旋は、4K8K放送対応チャンネルの電波の送受信をしています。

4K8K放送に対応しているBS放送と110度CS放送の電波は、らせん状に回転しています。これまで右回転しかなかったものに新たに左回転が加わり、以前の2倍もの数のチャンネルを放送できるようになりました。

右旋の中で4K8K放送チャンネルに対応しているのが、「BS 朝日」「BS テレ東」「BS-TBS」「BS フジ」「NHK BS」「BS 日テレ」などで、民法放送は無料で視聴することができます。

左旋には厳密には2つの種類があり、BS左旋では「ザ・シネマ4K」「WOWOW」、110度CS左旋では「J SPORTS」「スターチャンネル」などの4K8K放送に対応しているチャンネルがあります。左旋放送の多くは有料チャンネルです。

4K放送では、ニュースやバラエティーなどの総合番組から、映画やショッピング番組、スポーツなどの専門チャンネルまで、幅広いジャンルを視聴することができます。

また、東京オリンピックも4Kで放送される予定ですし、今後4K8K放送対応チャンネルはどんどん拡大していく見通しです。

4K8K放送を視聴するために必要な設備

4K8K放送を視聴するために必要な設備

4K8K放送を視聴するためには、大きく分けて3つの設備が必要となります。

  1. テレビ
  2. チューナー
  3. アンテナ

ご家庭の受信環境や見たいチャンネルによって必要な機器が異なるため、慎重に確認しましょう。

なぜ4K8K放送を視聴するために専用の設備が必要なのかというと、デジタル放送と4K8K放送では周波数の帯域が異なるためです。

4K8K放送には「高度広帯域伝送方式」という技術が採用されており、この高い周波数帯域に対応したアンテナやケーブルを設置するためには、場合によっては大規模な改修が必要になるかもしれません。

また、従来のBS・110度CSの衛星放送に対応したアンテナがあれば、テレビとチューナーを揃えるだけで右旋での4K8K放送を視聴できます。

ただし、左旋での4K8K放送を視聴するためには、やはりアンテナを含めたすべての設備を用意する必要があります。

4K8K放送対応のテレビ

4K8K放送に対応したテレビには2つの種類があります。

「4K対応テレビ」と「4Kテレビ」の2種類です。「4K対応テレビ」には4Kチューナーが内蔵されておらず、4Kチューナーを別途用意する必要があります。

「4Kテレビ」にはチューナーが内蔵されているため、別途用意する必要がありません。ちょっとした名前の違いで機能に大きな違いがあるのでご注意ください。

また、4K8K対応テレビでは、私たちが普段見ているデジタル放送の映像も高画質にすることができます。「アップスケーリング」という解像度変更機能を持っているため、デジタル放送の映像を引き伸ばして、4K相当の解像度でテレビを見ることができるのです。

4K8K用のチューナー

チューナーとは、アンテナで受信した電波を画面に映し出すために信号変換する設備のことを言います。

テレビにチューナーが内蔵されている「4Kテレビ」の場合には不要、チューナーが内蔵されていない「4K対応テレビ」の場合には必要です。

また、4K対応のチューナーと従来のBSアンテナがあれば、右旋での4K8K放送を視聴することができます。

左旋での4K8K放送を視聴するためには、4K対応のチューナーに加えて、4K8Kアンテナなどの周辺機器を用意する必要があります。

4K8K用のアンテナ

4K8K用のアンテナ

4K8K対応のアンテナは、家電量販店やネット通販などで個人でも簡単に購入できます。ただし、このアンテナの設置をDIYで行うのは、初心者には難易度が高いと言われています。

4K8K放送を視聴するには、電波を受信するためのアンテナだけでなく、ブースターやケーブル、混合器や分波器など、様々な種類の周辺機器を使って環境を整える必要があるからです。

ちなみに、4K8K対応アンテナが不要なケースがあります。それは見たいチャンネルが右旋のみで、従来のBSアンテナがあり、4K8K対応のテレビとチューナーが揃っている場合のみです。左旋のチャンネルが見たい、従来のBSアンテナを持っていないなどの場合は、新たにアンテナを用意する必要があります。

4K8K放送用設備の設置は難しいので業者に依頼する方が良い

4K8K用のアンテナ

4K8K放送に対応した設備を整えるのは、初心者には手の余る作業です。

従来のBS/CS放送と4K8K放送を同時に受信するための角度調整が非常に細かいこと、電波レベルの測定やその数値によって必要な周辺機器が異なるなど、専門的な要素がかなり大きいことが理由としてあげられます。

高所でのアンテナの設置作業はケガのリスクがありますし、専門知識がないことで余分な周辺機器を買ってしまうことも考えられます。

様々なチャンネルを高画質で楽しめる4K8K放送ですが、機器を設置するには相応の手間がかかります。4K8K放送をスムーズに導入するためにも、まずは一度専門の業者に相談してみてはいかがでしょうか。

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