看護師の年収を徹底解説!年齢・地域・働き方別の平均年収は?

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厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると看護師の平均年収は519万7000円(平均年齢41.2歳)です。
看護師の年収は年齢や専門的な資格よりも「地域や働き方」で年収アップが目指せます。そこで今回は看護師の年収につい徹底的に解説します。

看護師の年齢・経験別年収推移

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より年代別の年収・月給・賞与についてまとめたものになります。

新卒で年収約420万からスタートし50〜54歳で約580万円となり年収のピークをむかえます。

看護師の年収・給与の内訳は主に基本給、夜勤手当、残業代、賞与となります。
それぞれの内訳についてみていきましょう。

日本看護協会「2024年 病院看護実態調査 報告書」によると、2024年度実績における、学歴別平均基本給与額は、高卒+3年課程(専門卒など)209,697円、大卒は215,614円です。

ここから毎年平均5,370円昇給(定額昇給3,898円+ベースアップ1,473円)していきます。(全日本病院協会における賃金引上げの状況に関する調査 2023年度)

看護師の給与の中で左右されるの夜勤手当です。

2024年度の調査によると、夜勤1回当たりの手当の平均は三交代準夜勤で4,567円三交代深夜勤で5,715円、二交代夜勤で11,815円です。

三交代の場合月に準夜勤・深夜勤合わせて8回、二交代の場合4回程度ありますのでその場合、1ヶ月の夜勤手当の合計は平均して三交代で41,128円、二交代で47,260円となります。

また、夜勤専従者がいる病院は全体で41.7%いるという調査結果がありその場合1ヶ月の夜勤手当の増額が見込めます。

記録、急変対応、多重業務など特に急性期病院では残業しなければならないことが多いのが現状です。

厚生労働省「毎月勤労統計調査」によれば、「医療・福祉」分野で働く労働者の所定外労働時間は月平均5時間とされています。

残業代の計算は、以下の計算式で算出されます。

残業代=基礎単価(基礎賃金/月平均所定労働時間)×割増率×残業時間

具体例として看護師1年目の看護師で残業5時間/月発生したと仮定。

・基礎賃金:約20万円
・月平均労働時間:160時間
・残業時間:5時間

【残業代の計算】
20万/160時間×1.25×5時間=7,812円

実際には5時間/月以上残業をしている看護師は多いのではないでしょうか。実際に私もそうでした。
特に日勤で定時で帰れることはなく、短くて1時間、長い時は3時間残業することも。

以上から年齢や5時間/月以上の残業を考慮すると、看護師の残業代の平均は月に1〜2万円になります。

看護師の年間賞与の平均額は835,000円です。(令和6年賃金構造基本統計調査)

年齢が上がるにつれ賞与も上昇します。また施設ごとに賞与額に違いがあり、一般的に病院で働く方が賞与が高く、クリニックになると低くなる傾向です。

その他、勤務状況や役職の有無が賞与額に影響します。

看護師の年収が高い地域トップ3

平均年収¥5,689,100 、平均月収¥405,600、賞与¥821,900です。

・生活費(物価・家賃)が高い
東京は全国でも家賃や物価が高いため、給与水準も相対的に高くなります。
・人材確保のための競争が激しい
東京は多くの医療機関があり看護師不足が言われている中看護師の取り合いとなっています。給与や手当を上げて、採用・定着を図っている病院も多いです。
・大規模病院や専門性の高い医療機関が集中している
大学病院、国立病院、大規模総合病院などが多く、急性期や高度医療を提供する施設では、給与水準が高いです。
・地域手当(都市手当)がつく場合がある
公立病院や一部の病院では「地域手当」として基本給に数%上乗せされる仕組みがあります。東京はその割合が高めです。

平均年収¥5,640,200、平均月収¥389,700、賞与¥963,800です。

・観光都市で物価・家賃が高い
東京ほではないものの、観光都市である京都は家賃や生活費が地方都市より高いです。そのため給与もある程度高く設定されています。
・大学病院や大規模病院が多い
全国的にも有名な大学病院・大規模病院が集中しており給与水準が高いです。
・慢性的な人材不足
観光業やサービス業に人材が流れやすく、看護師の確保が難しい地域でもあります。そのため給 与や待遇を引き上げて募集する傾向があります。
・地域手当がつく場合がある
京都市内の公立病院では、物価を考慮した地域手当てが支給され、給与に上乗せされます。

平均年収¥5,598,300、平均月収¥377,500、賞与¥1,068,300です。

・大都市圏で物価・家賃が高い
大阪市内は関西の中心都市であり、家賃・生活費が地方都市より高いため、給与水準も上げられています。
・大規模病院・急性期病院が多い
大学病院や専門病院など急性期や専門病院が集中しており給与水準が高いです。
・人材確保競争が激しい
看護師不足に加え、病院数が多く看護師の取り合い状態になるため、給与や福利厚生を手厚くしている病院が多いです。
・地域手当がつく場合がある
大阪市立病院など公的病院では、物価を考慮した「地域手当」が支給されます。

看護師で働く際に病院・クリニック・介護施設等で年収の違いは?

年収の目安は500〜600万円です。

県立、市立、赤十字などの看護師は地方公務員または、準公務員扱いです。そのため給与は「地方公務員の給料表」に準じており、昇給や賞与が安定していることが影響しています。

また、大学病院などの母体が大きな病院では財政基盤が安定している病院もあり、給与や賞与の支給基準が明確で高めに設定されている傾向が。

さらに夜勤もすると夜勤手当も支給されるため年間で100万円近く差が出ます。

クリニックの年収の目安は380〜450万円です。

夜勤がないためその分年収は病院より低くなりますが、最近増えている美容クリニックの看護師であれば400〜600万目指せることも。しかし多くのクリニックでは20代〜30代前半までの採用が多く年齢がネックになることもあります。

介護施設の年収の目安は400〜480万円です。

夜勤をすれば年収は高くなる傾向にありますが病院に比べ医療行為が少ない分給与が病院より低く設定されていることもあります。

以上の年収は目安となりますが母体の大きな病院の看護師が一般的に年収が高くなる傾向があります。基本給が高めに設定されていることや夜勤手当など各種手当がつくためです。

認定・専門看護師は年収が高い?資格取得で年収はアップするのか

専門的資格を取得し働くと手当てがつきます。

日本看護協会「2024年 病院看護実態調査 報告書」によると認定看護師では平均月11,228円専門看護師では平均月11,857円の手当てがつきます。
しかし実際に手当てが支給されている病院は49.5%という報告もあり、必ずしも年収アップに繋がりません

まとめ

看護師が年収アップを目指すには、年齢や資格取得よりは地域や働き方によって大きく変わります。
年収アップを目指したい方は今のいる場所が年収アップが見込めるかどうか一度考えてみましょう。

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